レスターはニットの製造工業地域として有名ですが、街の近郊にある工場から車で5分も走ると写真のように、絵本の中に出てきそうなかわいらしいカントリースタイルの家々が立ち並ぶ自然豊かな郊外に出ます。
　建物を新しく建て直すということはほとんど無いらしく、昔からのものを大切に修理して使い続けている風土は、堅実なものづくりにも現れていると思いました。

　また、広大なBRADGATE COUNTRY PARK がすぐそばにあり、ここは古代に海が隆起してできた丘陵で、13世紀頃に城が築かれ、その後16世紀半ば、宗教的な政略結婚の末、わずか16歳でイングランドの女王に即位するも、即位後すぐに起こった政変によりたった9日間しか女王の座に無く無残にも処刑されてしまった悲劇の女王 Lady Jane Grey（レディジェーンと親しみを込めて呼んでいました。）の居城だったところとして有名な場所で、現在は鹿の自然保護公園として市民の散策やバードウォッチングなどで人気の公園です。鹿は自然な状態のまま適正に管理され、決して人の手で餌を与えるようなことはしません。
　この公園管理者のマイケルさんはコマンドニットウェア社のトレバー社長の向かいの家に住んでいて、お互い親しい間柄であり、古くからの友人でもあります。

　こういった公園で密猟者やマナー違反者の取り締まりや、外来の害獣駆除、道や道標、そのほか建造物の補修などの作業を行っているのが、「パークレインジャー」です。

　左側のチーフパーク・レンジャーのマシューさんが着ているのが、やはりコマンドニットウェア社製の夏向きの薄手のセーターです。

　編み機は日本の「島精機製作所」製。世界で高級品の編み機といえば「シーマ」（こう呼んでいました）ですね♪また、一部のミシンはブラザー工業社製でした♪日本人としてとても誇らしいです。

　完全にコンピューター制御されたこの機械で、パーツごとに正確なサイズで清潔に編み上げられていきます。

　プレスといってもいわゆるアイロンで上から押さえつけるのではなく、アイロン台の下から蒸気がブワッと出し、上から軽く押さえて形を整えます。その後仕様書どおりにサイズが仕上がっているか採寸します。

　仕様書のサイズどおりに仕上がっていることが確認できたら、デザイン、サイズ別にパーツを集め、「リンキングマシーン」という特別なミシンでパーツを組み合わせていきます。一般的なロックミシンと違い、網目の一目ごとに縫い上げるといった感じでしょうか。仕上がりが美しく。高級ニットに使用される手法です。

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